ブロックチェーンは「ビットコインの中核技術」とし、様々な種類の仮想通貨と共にブロックチェーンの技術も注目を浴びています。
ブロックチェーンに対しての研究も行われており、様々な業界がブロックチェーン技術を導入しています。
今回は、自動車業界ではブロックチェーン技術をどのように活用しているのかといった点について、スポットを当てていきます。
目次
【ポルシェ】ブロックチェーンアプリをXAINと共同開発して導入テストへ
ドイツの大手自動車メーカーであるPorsche(ポルシェ)は、ブロックチェーンとAIの開発を行っているスタートアップ企業の「XAIN」(ザイン)と一緒に、車に導入するためのブロックチェーンアプリを開発しました。
このブロックチェーンアプリは イーサリアム をベースにしています。
ブロックチェーンアプリのテストでは、車のキーの開閉を行っています。結果は、1.6秒でキーの開閉ができるようになり、従来より6倍も速くなったといいます。
他にも、「一時的なアクセス権限」や「暗号化されたデータログの取得」も行っています。
Porsche(ポルシェ)はブロックチェーンを導入することで、自動運転車の機能を向上していく目標を掲げています。
【トヨタ】世界中の企業も参加しているEEAに仲間入り
トヨタは イーサリアム の活用を目指し、2017年2月より設立されている企業同盟のエンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)へ参加しています。
EEAはKDDIや三菱東京UFJ銀行、マイクロソフト、インテルなど、日本を含め世界中から名が知れている企業が多数参加しています。
トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)の最高財務責任者は、「安全で信頼性のある自動運転車の開発のためには、たくさんの運転データが必要」と述べています。
また、「ブロックチェーン技術は、個人と企業の運行管理者、メーカー同士で、情報を共有できることも可能になる」とも語っています。
他にも、ブロックチェーンを開発しているKaula(カウラ)社と、自動車の研究や開発を行っているAZAPA(アザパ)社が共同で、バッテリー残量や自動車に関するデータをブロックチェーンで管理できるシステムを開発しています。
【ベンツ】ダイムラー社は独自の仮想通貨にブロックチェーン技術を使用!
ブロックチェーンを使った技術では ビットコイン や イーサリアム といった既存のブロックチェーンを利用する以外に独自のブロックチェーンを構築する方法があります。
この技術に基づき、Mercedes-Benz(メルセデスベンツ)の親会社であるDaimler(ダイムラー)社は、独自の仮想通貨「MobiCoin」を発行しました。
「MobiCoin」は、エコな運転である低速で安全な運転をしているドライバーに報酬を与えるプロジェクトに使用されました。
「MobiCoin」を最も多く受け取ると、「DTMRace」や「MercedesCupファイナルの自動車レースやテニス、「ベルリン・ファッションウィーク」のVIP席を、報酬として受け取れるようです。
しかし、「MobiCoin」がどのように使用でき、他の仮想通貨と交換できるのかということは、明らかになっていません。
まとめ
自動車メーカーの中から、ポルシェ・トヨタ・ベンツが、ブロックチェーン技術をどのように活用しているのかご紹介してきました。
アプリの開発、イーサリアムの企業同盟に参加、独自の仮想通貨を制作したりと、自動車業界でブロックチェーン技術を使用するといっても、使い方はメーカーによって様々です。
今後メーカーがどのようにブロックチェーンを活用し、自動車の発展へと導いていくのか、気になるところです。