ブロックチェーンは誰もが気軽に参加できて、お互いの信頼に基づき活用が可能な技術として、 仮想通貨 を中心に利用され世界的に広がりを見せています。
仮想通貨 だけでなく、ショッピングや医療機関での支払い、公共機関や金融機関、鉄道での利用など様々なシーンでの活用も期待されています。
規模の大きなシステムへの活用が話題ですが個人での開発ももちろん可能です。
そんな個人開発者向けに気軽に使えるオープンソースで注目のブロックチェーンをご案内するとともに、その基本的な特徴や応用の可能性などについてご紹介していきます。

 

オープンソースのブロックチェーン

Hyperledger Fabric

Hyperledger Fabricとは分散型元帳ソリューションプラットフォームで、高い機密性を持つ一方で、スケーラビリティの提供と柔軟な利用ができるようモジュラー・アーキテクチャーが採用されています。
モジュラー・アーキテクチャーによるアプリケーションを開発するための基盤として、チェーンコードサービスやメンバーシップサービスなどを開発者が自由に選択してプラグアンドプレイでき、現実の経済システムに存在する複雑さに対応できるよう設計がなされています。

 

主な特徴は以下のようになっています。

  • 仮想通貨 送金機能は搭載されず、運用主体を持つ台帳管理システムが搭載
  • 実際のビジネスにおける多様なユースケースに応えるべく、全ての参加者のアイデンティティを識別できる許可制ネットワーク対応プラットフォームが採用
  • トランザクション 処理が3つのフェーズに分割されているので、必要な承認や検証の段階数を抑えることができ、ネットワークのスケーラビリティを高め、スムーズでスピーディーなパフォーマンスが期待可能
  • コンセンサスメカニズムについても、想定される参加者の関係性により、より最適なコンセンサスメカニズムを選択できるように設計
  • Dockerコンテナ技術を活用することで自動執行できる スマートコントラクト のシステムをホスト可能
  • 送金機能については、システムごとに処理のロジックを設計でき、チェーンコードとして搭載可能
  • チャネル機能も搭載されているので、参加者が個別にグループを作って取引元帳を作成可能
  • 必要に応じて最小限の関係者だけでグループを作ってデータ交換ができる機能で、参加者2人だけで1つのチャネルを作成して元帳のコピーを保持するなども可能

 

Z.com Cloud ブロックチェーン

Z.com Cloud ブロックチェーンは ビットコイン に迫る人気がある 仮想通貨 「イーサ(ETH)」での取引を行えるオープンソースで、 イーサリアム を利用して分散型のアプリケーションが構築できるPaaS型のプラットフォームです。

 

主な特徴は以下のようになっています。

  • 機密情報を保管するデータ格納領域が設置されているので、データのアクセスコントロールが可能
  • 権限を与えたユーザーだけに機密情報などのファイルを呼び出して閲覧させるといった機能を実装可能
  • サービス運営者が トランザクション 手数料(Gas)をユーザーの代わりに立替払いする機能も搭載
  • 代払いができることで、ユーザーは 仮想通貨 を持っていなくても気軽に利用でき、新たに開発したチェーンの利用促進や普及にも役立つ
  • 世界各地のインフラ環境にネットワークを配置しているので、冗長化が実現でき、高い耐障害性を備える
  • 大規模地震などが起きて一部の ノード が損害を受けたとしても、他の拠点に保管されたデータを使ってサービスの継続が期待
  • これまでにない従来のチェーンの課題を解決する機能を搭載した基盤はクラウドサービス「Z.com Cloud」上にてAPIでラッピングして提供
  • 複雑な技術をAPIで包括的にコントロールできるので、経験が浅い開発者であっても簡単に構築できるのも魅力

 

6種類のプロダクトモデル

オープンソースのブロックチェーンを応用できるシーンとして、6種類のプロダクトモデルをご紹介します。

医療機関カルテ共有システムは患者が指定した医療機関へ医療情報の共有ができる スマートコントラクト サービスで、転院時や他の医療機関での診療を希望する際に改めて検査などを受けることなく、これまでの状態を医師が共有できる医療費削減などにも役立つシステムです。

 

トークントレーダーイーサリアム のトークン標準仕様準拠のトークンを、取引所に預けなくても、エンドユーザー同士で取引ができるサービスです。

 

 

地域トークンは自治体など一定の地域や大型商業施設などの限定されたエリア内にある店舗や施設のみで使えるトークンを、簡単に発行・運用できるようにする スマートコントラクト です。

 

 

転売抑止チケットはチケットを失くす心配もなくエコで便利なチケットレス化と、チケットレスになることで不正転売の抑止も同時に実現できる スマートコントラクト です。

 

モバイル端末を使って1つの鍵だけに入場権を付与することで転売も防げ、不正入手や不正な利益獲得を抑制したい社会的ニーズにも応えられます。

 

 

KYC (Know Your Customer)は顧客本人の身元確認を容易にする スマートコントラクト で、銀行口座の開設などに応用できます。

 

 

Pay@TableはERC20に準拠したトークンであれば、消費者から店舗への直接決済が気軽にできるサービスで、カード会社などの中間業者を挟まないため、決済コストを抑えられます。

 

■まとめ

チケットレス化や転売防止、ダイレクト決済による決済手数料の抑制、地域や施設限定のトークンを使って地域の活性化や他に顧客を逃さず地域や商業施設での収益アップ等がブロックチェーンにより実現されるかもしれません。

 

公共性が大きな特徴のブロックチェーンですが、必要なメンバーだけでデータの利用を行い、企業などの機密情報を権限がある方だけが安全に閲覧でき、医療情報といったプライバシーに大きく関わる情報も安全にブロックチェーンに保存でき治療のスムーズ化や医療費削減につなげるといった使い方も可能です。

 

まだ敷居が高く感じられるブロックチェーン開発ですが、こういったオープンソースの基盤が普及すれば、個人開発者による斬新なシステムが増えていくかもしれません。